苦痛脱却帳

苦痛や不幸から抜け出す方法を書いていきます

23:いじめ・悩みの相談方法

なぜ相談できないのか

 

悩み相談を受けることに慣れている大人は、「今回の相手もどうせ今まで受けた相談の中でも平均的な内容だろう」と考えているのではないだろうか。例えば、「今から相談に来る相手は世界で一番不幸な人で世界で最も苦しんでいる人で今日にでも自殺しそうな人だ」というように一番最悪な状態に焦点を合わせてはいない。
そんな中で自分が相談に行くとする。自分が普通の人の悩みの幅からとんでもなく反れるような、つらく深刻な悩みを相談したら、あまりにも重すぎて引いてしまうのではないか。
引かれるのが怖い。

 

自分は深い悩みを抱えているような素振りを全く見せずに生きていた。相談に行ったとしても、話を始める前の段階で「この人の悩みだからどうせ大したことない悩みだろう」と思われて相談がスタートするに違いない。そんな中で相手の予想を覆すような(相手を裏切るような)内容の話の、最初の一言を切り出すのは、とても大きな勇気が必要になる。相談し始めても、相手は予想と違う内容に対し、自分の相談に対してみるみる悩みはじめ、迷ったりするだろう。相手の心を大きく揺さぶってしまうのが怖く感じた。
相手を裏切るのが怖い。

 

先生へ相談できなかった。自分は普通に部活をして、勉強もしっかり取り組んでいた。クラス内でもそれなりに役割をこなしていた。そんなごく普通の自分像が先生の中で壊れるのが怖かった。先生の中で「自分」の印象が大転換するのが怖かった。
自分がいじめられ、いじめで悩むような弱い人間だと思われたくなかった。実際弱いとしても、弱いと決定づけられる(この世界に弱者の烙印を押される)のがつらかった。世界が壊れると思った。
自分の印象が大転換するのが怖い。弱者であると確定するのが怖い。

 

部活の先輩にいじめられた。先輩と親しくしすぎて距離感を間違い、大きな反発を招いたのが原因だった。いじめられている理由が自分に原因があるのだから、あんたが悪いで終わってしまうのではないかと、原因が自分にあると考えていたので言いづらかった。
原因が自分で終わるのが怖い。

 

悩み相談に至るまでの大きな壁を乗り越えて、精神をすり減らして相談しても、解決せずに徒労に終わったり、相談したことがバレたり、間違ったアプローチによってさらにいじめや嫌がらせをエスカレートさせるのが怖かった。
徒労に終わるのが怖い。現状からさらに悪化するのが怖い。

 

本当にこれがいじめと定義できるのか?常に行われているわけではない。相手が複数人でない場合が多い。
本当にこれがいじめと定義できるのかがわからない。

※学生時代は、いじめの定義を知らなかった。
現在のいじめの定義(2013年~)
「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。
https://kyoiku.sho.jp/93063/ (2023-08-20閲覧)
一定の人的関係:学校の内外は問わない 学校、学級、部活動等 関わりのある仲間や集団
つまり本人が苦痛であればいじめである。加害者が複数人か一人かは関係ない。


相談するという行為があまりにもハードルが高すぎて、無意識に相談しない理由を集めてしまっていた
相談するのを先延ばしにして、夏休みまで我慢しよう、ゴールデンウィークまで我慢しようと、短期的なゴールを決め、「自分が我慢する」で終わらせていた。
自分一人で解決しよう、だって連休を挟んだら運よくいじめが終わるかもしれないし。だったら今日相談する意味ないよね。ゴールデンウィーク、夏休み、冬休み、春休み、三連休以上の休みがくるたびに、もしかしたら加害者が連休中に改心していじめが終わるのではないか。かすかな期待を抱きながら、休み明けの学校に行った。
夏休みが明けた。初日・2日目は平和に終わった。3日目も嫌がらせなく終わった。もしかしていじめは夏休みで終わったのではないか?やっといじめから解放されるのかも・・・!
しかし4日目、期待を裏切り、いじめが始まった。
着実に加害者は狙いを定めて攻撃してくる。おわらない。基本的に、こちらから何か対処しない限りいじめは終わらない。いじめは人間の脳に快感物質を生むため、加害者は自分から辞めようとは思わないのである。大きな連休明けのたびに、いじめが終わらないか期待し続けた。誰にも相談できなかった。結局卒業までいじめは終わらなかった。

 

今いじめや嫌がらせを受けている人へ

親に相談してほしい
いじめかどうか微妙なラインだとしても、嫌な思いをしたら、そのことを言ってほしい。自分の娘・息子がいじめられたなんて親が知ったら、親が苦しむから相談を我慢しようという子供は多い。でも親は、子供の何倍もの数の、多くの苦難を受けてきたんです。だから自分の子供がいじめられている事実を知っても耐えられるんです。
言っちゃ悪いけど、「『自分の子供がいじめで苦しんでいる』という苦しみ」よりもつらい苦しみをたくさん味わってきてるんですよ。「自分の子供がいじめで苦しんでいる」という事実は、親にとってもつらい事ではある。でも親の人生で一番の苦しみになることはないので、正直にいじめられていること、嫌がらせを受けていることは言ってほしい。
20年30年40年生きてきた親は、あなたの受けている今の苦しみと同じくらい(ちょっと軽いかもしれない、逆にもっと重いかもしれないけど)の苦痛・激痛を受けた時期があったんです!親はそれを乗り越える方法を知っています。乗り越えられなくてもいいアプローチの仕方を知っています。
だから親に相談してください。いじめられているあなた自身を受け入れてくれます。
あなた自身の見方は変わりません。いじめられてるから価値が低い子供に変わったなとは思わない。本当のことです。
親に相談して「先生に言わないで」と言ったら先生に言わないし、「相手の親に連絡しないで」と言ったら相手の親にも連絡しないです。そこはしっかり言っておきましょう。
自分の子供はいじめを受けているから学校で最下位の価値なんだ、嫌だ。とか全く考えない。(そんなこと考えるのは子供だけ。)全くこれっぽっちも自分の子への評価は変わらない。これはもう100%と言っていいでしょう。

 

先生に相談してもいい
先生を含めて大人は20年30年40年と人生を生きている内に、自分の友達・職場の人などから様々な悩みと聞いています。
そして時には親や先生自身が他の人に悩みを相談したり、仲間の悩みを解決したりした経験が、それはもうたくさんあると思います。
1年生活するだけで10個は悩みはできるし、周りの人の話も聞けば1年だけで20~30個くらいの悩みに触れることになりますよね。その中にはとんでもなく大きな驚くような悩みもあるわけです。先生も親も、悩みが重すぎて引くという事はないと考えていいです。

 

いつ相談してもいい
こんな重大な相談するのだから何か特別な日、ここぞという日にした方がいいのでは?月の最後の日にするか?来月の1日?大きなイベントが終わった直後?月曜日?金曜日?この日に言うのは変かな?
 ⇒いつ言ってもいいです。ごくごく普通の平凡な一日でいいです。先延ばしはしない方がいいです。先延ばしすると「相談しないための理由さがし」を始めてしまいます。なんなら今日か明日でいいです。
相談する時刻は?
 ⇒いつでもいいです。
相談の切り出し方
 ⇒「最近学校最悪なんだよね」とか「部活、○○先輩がいるせいで全く面白くない」「クラスの○○と一緒に過ごすのが苦痛だ」とか思い切って、勇気を振りしぼって話始めよう。もうこんな世界どうでもいいや!人生どうでもいいや!と自暴自棄がエネルギーになるなら、そのエネルギーを利用して話し始めてもいいし、嫌がらせしてくる人への怒りが相談のエネルギーになるなら、話す直前にその人の顔を思い浮かべて怒りをエネルギーにして話し始めてもいい

あなたの幸運を祈ります。